タイ骨董日記

私、自称仏像コレクターよる東南アジア初期のヒンドゥー・仏教美術、タイのお守りプラクルアン情報。SINCE Feb2006 (C) 2006 タイ骨董日記

2018-01-01から1年間の記事一覧

仏像・お守りコンテスト証明書及び鑑定書について

今年3月中旬にバンコクで開催された仏像・お守りコンテストの証明書がやっと届いた。通常コンテスト終了後約2〜3ヶ月以内に仕上がるのですがこのコンテストは4ヶ月もかかった。今までにない規模の大会だったのでいろいろと大変だったのではないだろうか。い…

中国様式の青銅仏

以前入手した中国様式の青銅仏(写真1枚目)ですが、先週末にチェンライ北部のチェンセンに行った際に立ち寄った丘上の寺の展示室でまた見つけました。展示棚の中には周辺で出土した様々なものが陳列されています。3枚目の写真が展示品との比較です。若干…

ビエンチャンで見た仏像

先日、ラオスのビエンチャンに行って来ました。もう何度も訪れているのですが毎回本堂が閉まっていて見ることが出来なかったワット・インペン寺に今回は開く時間(夕方)を確認してから行って来ました。内部もなかなか綺麗なお寺で中央の大仏の下には古い時…

チェンセン青銅仏 パヤオ様式(その2)

発注していた台座が出来たのでまた掲載します。パヤオ県出土、チェンセン時代の青銅仏(パヤオ様式)です。前にも書きましたがパヤオ県の出土仏は青銅仏が少なくほとんどが砂岩製の仏像です。今回はパヤオ県チェンカム郡プラナンディン寺にあるに有名な仏像…

ブッダストーリー 涅槃

久しぶりにシャン時代(タイヤイ美術)の涅槃仏を入手したので撮影して来ました。弟子像や蓋は欠損していますが状態が良くちょうど文献のものとよく似ています。塗金が良く残っているので緑錆はほとんど出ていませんが地肌のブロンズ部分は古い風合がとても…

タイヤイの塼仏(宝冠仏)

先日行ってきたロッブリー県のソムデット・プラナーラーイ国立博物館でうれしい発見がありました。アユタヤ時代の塼仏展示コーナーに私が大事にしているシャン(タイヤイ美術)の塼仏が展示されていたからです。その場で携帯に保管してある画像と見比べてみ…

ソムデット・プラナーラーイ国立博物館(ロッブリー県)

先週、10年以上ぶりにロッブリー市内にあるソムデット・プラナーラーイ国立博物館に行って来ました。ロッブリーと言えばアンコールワットと同時期のロッブリー美術(クメール美術)がイメージされると思いますが歴史はもっと古くタイ初期美術のドヴァーラ…

パヤオ県のお守り(その6)

パヤオ県ワット・シーコームカム寺で仏暦2512年(西暦1969年)に発行されたお守りです。今から49年前のお守りなのでほとんどのものは擦れてますが、状態の良いものは高価で取引されています。収集したこの3つはかなり状態のいいものです。パヤオ県の高…

パヤオ県のお守り(その5)

パヤオ市内の大仏プラチャオ・トンルアンがあるワット・シーコームカム寺に行って来た。下の写真は入手したばかりのプラチャオ・トンルアンの古い写真です。約50年ほど前のものです。今と違い貧しかった当時は立体的な仏像の代わりに写真を額に入れて家で拝…

パヤオ県のお守り(その4)

パヤオ県チェンカム郡ワット・プラナンディン寺のお守りを入手した。このお寺にはプラチャオ・ナンディンというチェンセン時代(パヤオ様式)の砂岩製の仏像が祀られています。パヤオ市内の大仏(プラチャオ・トンルアン)と並んで大変人気のある仏像でパヤ…

ランプーン県出土の仏像(テラコッタ製)

昨日の記事でパヤオ県の出土仏はほとんどが砂岩製と書きましたが、今日記事にするランプーン県の出土仏はほとんどがテラコッタ製(土製)です。上の写真(1、3枚目)がハリプンチャイ国立博物館のもの、下の写真(2、4枚目)がコレクションですが、かな…

チェンセン青銅仏(パヤオ様式)

パヤオ出土のチェンセン時代の青銅仏を手に入れた。とても珍しいものです。というのはパヤオの出土仏はほとんどが砂岩製で青銅製は極端少ないからです。造り的には薄いブロンズ、そして内部に付着している土もチェンセン時代の青銅仏とほぼ同じです。当時、…

メーホンソーン県からのギフト

プラ・ブアケム(プラ・ウパクット)の記事が連続しますが、前々から欲しかったブアケム青銅仏を思い切って買いました。珍しいものですが少し高価だったので我慢していたのですが、、それが今日メーホンソーンから届いた次第です。ただ届いて見た実物はとて…

プレー県のお守り(その3)

今回はプレー県市内中心部にあるワット・サラボゲーウ(通称ブアケム寺)発行のお守りを記事にします。プレー県は隣県のランパーン県同様、19世紀初め頃からビルマ職人による寺の建築が行なわれ、市内にはまだ多くのビルマ(タイヤイ)様式のお寺がありま…

プレー県のお守り(その2)

プレー県ワット・クワンカムルー寺の高僧クバー・ゲーウのお守りです。プレー県の中でも3本の指に入る有名な高僧で生前中にコイン型のお守りの他にもハヌマーンやルーシー(行者)型のお守り、またお守り布などのクルアンラーン等の多くお守りが発行されて…

プレー県のお守り(その1)

タイ北部プレー県ロン郡ワット・サレン寺の高僧クバー・ソムジットのお守りです。クバー・ソムジットは昨年1月に75歳で亡くなった高僧ですが、このコイン型のお守りは仏暦2514年(西暦1971年)に発行されたクバー・ソムジットの初代お守りです。すご…

古代都市チャンセン(中部タイ、ナコンサワン県)

タイ中部ナコンサワン県ターキー郡のチャンセン博物館に行って来ました。 ターキー郡はナコンサワン県南側に隣接しているロッブリー県県境の田舎町です。行きにくそうな所ですが鉄道駅が近くにある為、頑張れば行けます。このチャンセンではインド美術の影響…

ラームカムヘン国立博物館(スコータイ歴史公園)

旅に出ていてブログ更新に少し間が空きました。先日久しぶりにスコータイ美術を勉強しにスコータイ歴史公園入口のラームカムヘン国立博物館に行って来ました。ここを訪れたのは約20年ぶりで博物館内も綺麗になっていました。スコータイ県はタイ北部の最南…

パヤオ県のお守り(その3)

もう一点、シーコームカム寺 仏暦2512年(西暦1969年)発行のお守りを紹介します。シーコームカム寺はパヤオ湖の畔りに建てられたお寺ですが、このパヤオ湖の伝説にもなっているナーガ神(タイ語:パヤーナーク)と仏塔がデザインされたコイン型のお守りです…

パヤオ県のお守り(その2)

これがパヤオ県シーコームカム寺 仏暦2512年(西暦1969年)発行の銅製のお守りです。本堂にある約500年前の大仏(プラチャオ・トンルアン)の上半身がデザインされています。なぜ上半身だけなのと思われるかもしれませんが、2枚目の写真のように本堂入口…

パヤオ県のお守り

少しだけ集まったパヤオ県シーコームカム寺発行のお守りです。コインと金枠に入ったお守りは仏暦2512年(西暦1969年)発行のもので、古い額に入った白黒写真は仏暦2494年(西暦1951年)頃に撮られたものです。パヤオで最も人気のお守りの一つで状態の良いも…

シャン青銅仏(小型)

小型のシャン青銅仏を入手した。緑錆で覆われていて良い顔をしています。18世紀頃のもの。

仏像の目で年代が分かる(その5)

今回は写真右側の仏像の年代を文献と比較しておおよそ特定して見ました。ポイントは「仏像の目」ではないですが、関連する内容なのでこのシリーズの続きの記事にしました。この仏像はドヴァーラヴァティー期のもので高さ約8センチ、ソリッドの重いブロンズ…

タイ正月ソンクランの風景(チェンマイ、チェンラーイ)

タイ正月(ソンクラン)期間中にチェンセン仏を拝みがてら水をかけられに行って来ました。最初の写真はメーサイ市内からゴールデントライアングルに向かう田舎町にある静まりかえったお寺なのですがここに素晴らしいチェンセン青銅仏(シンサーム様式)があ…

シーサケット寺(ラオス・ビエンチャン県)

ラオス・ビエンチャンのシーサケット寺に行って来ました。この寺と道路向かい側にあるホープラケオ寺は博物館の位置づけになっており見学必須のスポットです。本堂内部は撮影出来ませんが外側からこそっと撮ってきました。とてもいい雰囲気のお寺です。 Lao …

仏像の目で年代が分かる(その4)

今度は写真1枚目右側のプレ・アンコール期の青銅仏の年代を文献と比較して検証してみました。この青銅仏はアンコール・ボレイ期(6世紀〜7世紀初め)のものとして入手したコレクションです。写真1枚目左側の青銅像はロンドンにある博物館のコレクション…

久しぶりのブッダストーリー

塗金の残った可愛いの手に入れました。

仏像の目で年代が分かる(その3)

次はベトナムのものです。ベトナムといってもカンボジア南部に近いメコン川下流域(メコンデルタ)のベトナム南部のものです。(写真1枚目)は16、17年ほど前にチャンパ初期のものとして手に入れたテラコッタ製の仏像頭部です。なかなか類例がなく、時…

仏像の目で年代が分かる(その2)

次の比較です。写真上の左側はドヴァーラヴァティー期のものでタイ中部のウートンかチャンセン出土のテラコッタ製人形頭部です。右側は文献に掲載されているカンボジア南部出土の大型の仏像頭部です。この大きさも出土地も違う2点の共通点は目です。実際、…

仏像の目で年代が分かる(その1)

仏像の時代や年代を調べる時、経験も役に立ちますがやはり博物館の所蔵品と比較するのがベストだと思います。なので私の場合は文献の写真や実際に博物館で撮った写真と比較することが多いです。最近、東南アジア初期の美術書「Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist…