ソムデット・プラナーラーイ国立博物館(ロッブリー県)
先週、10年以上ぶりにロッブリー市内にあるソムデット・プラナーラーイ国立博物館に行って来ました。ロッブリーと言えばアンコールワットと同時期のロッブリー美術(クメール美術)がイメージされると思いますが歴史はもっと古くタイ初期美術のドヴァーラヴァティー期(6世紀〜11世紀)の遺物も多く出土しています。ドヴァーラヴァティー美術は大きく3期に分けることが出来、初期はインド美術(グプタ美術)の影響を強く受けた美術、中期はタイで生まれた純粋なドヴァーラヴァティー美術、また末期はクメール美術の影響を受けて来ます。その後クメール美術の影響を強く受けたロッブリー美術が生まれ、アユタヤ美術に移行していきます。よって(ウートン美術を含む)初期のアユタヤ美術(14〜15世紀)はクメール美術の影響を強く受けています。この1000年もの間の様々な時代の遺物がここロッブリーや周辺で出土しており、その出土品がこのソムデット・プラナーラーイ国立博物館に展示されています。石製、青銅製、そしてテラコッタ製、ほぼ全ての材質の出土品が時代別、材質別に展示されています。久しぶりに訪れた博物館は内部も改装されて綺麗になってましたよ。また博物館は遺跡の中に建てられていますので最高のロケーションです。以上、自称仏像コレクターにとっては実に有意義な時間を過ごせましたが、2時間ではちょっと足らないくらいでした。