先日行ってきたロッブリー県のソムデット・プラナーラーイ国立博物館でうれしい発見がありました。アユタヤ時代の塼仏展示コーナーに私が大事にしているシャン(タイヤイ美術)の塼仏が展示されていたからです。その場で携帯に保管してある画像と見比べてみましたが間違いありません。10年ほど前に入手した大型の塼仏で以来一度も同じ型に出会えていませんでした。文献にも掲載されていません。通常、塼仏は金型から作られるので作成当時は数枚から多いものは千以上生産されます。ですので同じ型、もしくは残片が何処かにあるはずなのです。展示品には「塼仏、テラコッタ製、アユタヤ時代(15〜18世紀)、ロッブリー県Wat Phrommat寺寄贈」と記載されていました。このWat Phrommat寺は行ってはいないのですが博物館から徒歩で行ける距離にあり記載や写真からアユタヤ時代初期に建てられた寺だと思います。経緯は分かりませんがこのシャン(タイヤイ美術)の塼仏が以前このお寺で保管されていたのでしょう。いろいろな疑問点はありますが、今回同じ型の塼仏に出会えただけでも大きな収穫でした。最後の写真がコレクションと展示品の比較です。型は完全に一致します。縁部分のデザインの違いは型抜き後にさらに装飾が加えられたのだと思います。ともかく博物館級と言っていいと思います。という訳で毎度おなじみの自己満足記事でした。
Votive Tablets in Thailand: Origin, Styles, and Uses (Images of Asia)
- 作者: M. L. Pattaratorn Chirapravati
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 1998/04/01
- メディア: ハードカバー