タイ骨董日記

私、自称仏像コレクターよる東南アジア初期のヒンドゥー・仏教美術、タイのお守りプラクルアン情報。SINCE Feb2006 (C) 2006 タイ骨董日記

2019-01-01から1年間の記事一覧

仏陀ストーリー 青銅の象

青銅製の大型の象です。2002年頃、ミャンマー国境に近いタイ北部で入手したシャン州から来たものです。可愛い象ですが動きがあってとても迫力があります。ブロンズの材質や象使いの表情から18世紀頃に作られたシャン(タイヤイ)様式の仏陀ストーリーセットの…

バガンで見た壁画(後編)

今回のバガン遺跡探索で運良く見ることが出来たパガン時代 11〜12世紀頃の仏陀ストーリーの壁画です。パガン様式の切れ長の目の仏、菩薩等、当時の色彩が残っており迫力が伝わってきます。非常に素晴らしい壁画です。やはり西側のインド北部からバングラ…

バガンで見た壁画(前編)

バガン遺跡のパゴダ内に描かれているパガン時代13世紀頃の壁画です。非常に繊細で素晴らしい作品です。遺跡内の壁画は大きな仏像同様に他の場所に移し保管することが困難なものです。現在では一部に柵や透明のアクリル板でガードされている箇所もありますが…

銀製ランチャーン仏(お守りサイズ)

(写真1枚目)だいぶ以前に入手したお守りサイズの銀製ランチャーン仏を写真撮影して来た(写真2、3枚目)。今回この仏像とタイ東北部の聖地、仏塔プラタート・パノム(ナコンパノム県)の博物館に展示されているランチャーン時代の青銅仏(写真4枚目)を見…

バガンで見た仏像

バガンの続きです。今回はeバイクで回ったのでサンライズからサンセット後まで、昼間の熱い時間帯は休んでたっぷりと見て回って来ました。小型〜中型の重要な仏像の大部分は博物館等で保管されているようですがパゴダ内の大型の仏像はパガン王朝時代(11〜13…

バガン考古学博物館

先週10年ぶりにバガンに行ってきました。今回はeバイクを借りてじっくりと回って来ましたので3回に分けて記事にしたいと思います。先ず考古学博物館からです。3度目のバガンで初めて入りましたが内容は質量共にかなり良かったです。やはりバガンの寺院等…

ベトナム国立歴史博物館(ハノイ)

先週初めてハノイに行って来ました。首都ハノイのあるベトナム北部は中国国境にも近い位置にあり、西側の山岳部はラオス国境と接しており、ベトナム南部と異なりカンボジアには接していません。ベトナム中部のチャンパ王国のあったミーソン遺跡はクメール美…

チェンセン・チャイプラーカーン(ファーン)様式

少し前ですがチェンセン時代の青銅仏を入手しました。チャイプラーカーン(ファーン)様式というチェンマイ北部のものです。蓮の花と舟形を組み合わせた高さのある台座はこの様式に見られるもので全体のバランスもよくとれていると思います。また台座最下部…

ガラー・ランナー 1対の仏

神聖な力が宿っていると言われているガラー・ターディアオ(1つ目のガラー)と呼ばれる稀にしか出てこないココナッツの殻に1対の仏が彫られたお守り(タイ北部のクルアンラーン)です。瞑想する仏の姿がクラシックで気に入っている。入手する以前よりプラ…

ドワーフ像(ドヴァーラヴァティー期)

また博物館級のものを入手しました。今度はスパンブリー県ウートンで出土したドワーフ像がデザインされたテラコッタ片です。全体はどのようなものだったかは分かりませんがドヴァーラヴァティー期のものです。写真2〜4枚目は文献の写真ですが2枚目はナコ…

洞窟寺院ポーウィン山(モンユワ)

先週行って来ました。マンダレー西側にあるモンユワの洞窟寺院ポーウィン山です。直線距離ではパガンに近いかもしれません。インワ時代の仏像や壁画が残っている素晴らしいところです。たくさん写真を撮って来たので掲載しておきます。ここは超おすすめです…

パキスタンの菩薩像 残欠(テラコッタ製)

約2年前に入手したテラコッタ製の残欠です。ずっと年代と出処が気になっていたのですが先日メトロポリタン美術館で同じ美術様式の像を見つけることが出来ました。それが写真2枚目から5枚目パキスタン北部スワート渓谷のものです。その下の写真はそれらの…

弥勒菩薩像 プラコーンチャイ様式(ブリラム県)

写真1枚目はかなり以前に入手した青銅製の弥勒菩薩像(プラコーンチャイ様式)の上半身です。写真2枚目は今回メトロポリタン美術館で最も見たかったブリラム県プラコーンチャイ郡カオプラーイバットⅡ寺院出土の大型の青銅製菩薩像(こちらは観音だと思いま…

メトロポリタン美術館(ニューヨーク)

そしてメトロポリタンミュージアムです。細かくは書きませんが一言だけ「最高」でした。カンボジアのプレアンコール期、タイのドヴァーラヴァティー期、そしてブリラム県プラコーンチャイ出土の大型の青銅菩薩像、タイ南部からインドネシアにかけてのシュリ…

ボストン美術館 (Museum of Fine Arts, Boston )

先週ボストンとニューヨークに行って来ましたので美術館の写真をアップしておきます。先ずはボストン美術館です。文献で何点か東南アジア初期の美術品があるのを確認していましたがインドやインドネシア、チベット等を含めて結構楽しめました。 Lost Kingdom…

ボストンとニューヨーク(祝!! 200万アクセス)

昨日からボストン入りしています。今回はボストンとニューヨークの美術館を回って東南アジア初期の美術を見てまわる予定です。後ほど記事にしたいと思います。題名にあるように今朝カウンターが200万を通過致しました。今後とも本ブログを宜しくお願い申…

ハリプンチャイ期仏像頭部 比較

チェンマイ国立博物館蔵の砂岩製仏像頭部(写真1枚目)とハリプンチャイ期のテラコッタ製仏像頭部(写真2枚目)を比較してみた。顔部分をアップした比較(写真3、4枚目)はかなり似ているが全体を比較すると印象は変わってくる。美術的に非常に興味深い…

ドヴァーラヴァティー期と白鳳の塼仏

かなり以前に入手したドヴァーラヴァティー期の塼仏(テラコッタ製)です。下の写真は奈良県明日香村の川原寺裏山出土の方形三尊塼仏で日本最古(7世紀)の塼仏と言われているものです。見比べてみて、顔つきや細かい点は異なりますが同じ薄い衣を見にまと…

パヤオの大仏 プラチャオ・トンルアンの古い写真

パヤオ市内中心部、パヤオ湖のほとりにあるワット・シーコムカム寺院にはランナー時代最大の仏像プラチャオ・トンルアン仏(約500年前)が祀られているが、この仏像の古い写真を蒐集している。最近またレアな写真(写真1、2枚目)を入手した。仏暦24…

神鳥ハンサ(ドヴァーラヴァティー期)

タイ中部チャイナット県でドヴァーラヴァティー期のビーズと共に出土した神鳥ハンサが彫られた石製の欠片(写真1、2枚目)を入手しました。今のところまだ何の欠片だったのか分からない。ハンサについて調べてみると簡単ですがヒンズー教の神鳥でブラフマ…

ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ神(ドヴァーラヴァティー期)

また博物館級のものを入手しました。もう何十年も前にウートンで出土したドヴァーラヴァティー期のテラコッタ製像の残欠(写真1、2枚目)です。どうにかして譲ってもらうことが出来ました。この像は実は「ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ神」なの…

ドヴァーラヴァティー期 人物像と仏像の比較

写真1枚目は先日入手したばかりのウートンとチャンセン出土のドヴァーラヴァティー期テラコッタ製の人物像です。ちょうど文献写真(写真2枚目)と同型のものです。これらは本来「身代わり人形」なのでほとんどのものが首が折られた状態で頭部と胴体部分が…

ドヴァーラヴァティー期 塼仏(ナコンパトム出土)

博物館レベルの塼仏片を入手した。実際には完品の1/3〜1/4の残欠片ですがナコンパトム出土の大型の塼仏で裏側には古代文字が残っており実物はなかなか見られないものです。写真3、4枚目は文献掲載の同型の完品(ラーブリー国立博物館、クーブア遺跡出…

お守り、仏像コンテスト(2019年 8月 25日・ランパーン)

日曜日にタイ北部ランパーン市内で開催されたお守り・仏像コンテストに行ってきました。今年は毎年恒例のチェンマイのコンテスト(タイ北部最大)がなく、代わりに2番目に大きいと言われるこのランパーンの大会に参加した訳です。前日はほぼプロ中心のお守り…

仏陀ストーリー ブロンズの鹿

珍しいものを手に入れた。この鹿は仏陀ストーリーシリーズのものだと思うが単体の鹿は今回が初めて。とても可愛い青銅製の鹿で純粋無垢な表情をしている。きっと釈迦の説法を聴きに集まった鹿に違いないと思う。鹿画像追加しておきます。

ドヴァーラヴァティー期 テラコッタ製人物像(チャンセン、ウートン出土)その8

一昨年前にこの人物像シリーズの頭部を入手して以来、継続的に収集しているが最近運良く良いものが集まり、2点の残欠を繋げて博物館の展示品(写真2枚目)レベルに少し近づいて来た。このシリーズは私の大好きなドヴァーラヴァティー時代の美術様式でコレ…

モン州立博物館(モーラミャイン)

先週の日曜日からミャンマーに行ってきました。目的はモーラミャインにあるモン州立博物館の見学です。ここには何点か英文の文献に掲載されているピュー時代の出土品が展示されており以前から気になっていたのですが、やっと行って来ました。行きはタイのメ…

ドヴァーラヴァティー期 テラコッタ製人物像(チャンセン出土)その7

ナコンサワン県チャンセン出土の人物像(テラコッタ製)をまた入手出来ました。今回も胴体胸部ですが欠損している頭部の耳飾りが残っており、とても魅力的な女性像です。写真2、3枚目は以前行ってきたチャンセン博物館に展示されている同型と思われる人物…

プレアンコール期 プレイ・クメン様式

先月アランヤプラテート(サケーオ県)からカンボジアに入国する前に久しぶりにプラチンブリー国立博物館に行って来ました。このプラチンブリー県や隣県サケーオ県にはドヴァーラヴァティー期やプレアンコール期(6〜8世紀頃)の仏像やヒンズー神像等の遺…

アンコール国立博物館(シュムリアップ)

次に行ったのがアンコール国立博物館です。2007年頃にオープンしたまだ新しい博物館でかなりお金をかけて作られたと思います。展示物もとても多くじっくりと見学するなら2時間以上は必要です。内容はアンコール期(9世紀〜13世紀)の石像を細かく分けて展…