まず1枚目の比較写真ですが、左側は今から20数年前にタイの某有名骨董雑誌に掲載されたドヴァーラヴァティー青銅仏です。右側よりも小さな仏像で当時50万か100万バーツだったと記憶しています。両方の顔の表情や頭部の形状が似ており、恐らく出土地も近いのではと思います。2枚目の比較写真は、逆になっていますが、右側はドヴァーラヴァティー期の黄金仏(スパンブリー県ウートン郡出土だったと思います)です。この仏像はラーマ3世の時代(西暦1824〜1851年)にタイ王室の宝物になったもので国宝に近い位置づけの仏像です。左側とサイズはほぼ同じ(高さ)8.5センチで作風も似ていると思います。黄金仏の足の組み方は結跏趺坐ですが足の裏は上には向いていない少し特殊な形です。青銅仏は結跏趺坐ではありませんが、黄金仏同様に可愛い足が仏像の底面(写真4枚目参照)で確認出来ます。参考仏2点も8〜9世紀頃(約1200年前)のものです。
<追記>2021年2月18日 手で持った写真を追加しました。希少なナーガ付きのドヴァーラヴァティー期 青銅仏です。ナーガ先端部分は欠損していますが、背中上部から突き出したナーガのシルエットも美しいです。ソリッドの青銅で写真からもブロンズの質感が分かると思います。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia
- 作者: John Guy
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー