ドヴァーラヴァティー期 猿を連れた人物像
ドヴァーラヴァティー期のテラコッタ製人形の代表作「猿を連れた人物像」です。残欠ですが胴体と下半身部の全てが揃ったので撮影してみました(写真1枚目)。写真2枚目はランプーン県のハリプンチャイ国立博物館に掲示されているものですが、ここに説明されている通りドヴァーラヴァティー期(中部)の「猿を連れた人物像」には2種類の型あります。左側がチャンセン型、右側がウートン型です。写真3〜5枚目は残欠ごとに比較してみたものです。これらはタイ中部のドヴァーラヴァティー期のコミュニティがあったエリアから発掘されており、主な出土地はウートン、チャンセン、ロッブリー、チャイナット、ナコンパトム、ラーブリー等です。見ての通り体格の良い体型で横から見たスタイルはとても特徴的です。写真6枚目はチャンセン博物館に掲示されているほぼ完品のウートン型(通常頭部は首から折られている)です。写真7枚目は6枚目の下半身(猿)と残欠を組み合わせたものを並べて比較したものですが同型と分かります。ちなみに残欠を組み合わせた左側は上がチャンセン出土、下がチャイナット出土の残欠です。年代的には7〜8世紀頃のものです。