とても珍しいものを手に入れた。テラコッタ製の頭部で写真1枚目のようにとても小さいが顔の造りが素晴らしいものです。コレクターに譲ってもらったもので、おそらく東南アジアではなくインドかスリランカ付近のものではないかと思っていますがまだ分かっていません。髪を上部に結い上げた様式や顔つきから見て東南アジア初期の菩薩像の美術に近く、年代的に近いと思っていますが束ねた髪の形状は東南アジアのものとは少し違います。参考に写真3枚目はカンボジア南部(ギメ東洋美術館蔵、7世紀末)のもの。写真4枚目は日本の国宝、五智如来像の中心、大日如来像(平安時代前期、9世紀中頃)と比較して見たものですが頭部の形状や顔の輪郭が少しだけ似ている。継続して追究して予定です。
<追記>2020年9月13日 スコータイ時代の出土仏(お守りサイズ)に少し近いものがありましたので比較してみました。ランカー(スリランカ)美術の影響を受けたもので年代的には14〜15世紀ごろのものです。仏像頭部はスリランカのものかもしれない。本を持ってたはずなので今度確認してみます。
<追記>2021年3月20日 文献からスリランカ ポロンナルワ遺跡地区ガル・ヴィハーラの涅槃仏とその頭部の比較画像を追加しました。12世紀ごろの全長14メートルの涅槃仏です。顔のパーツの形状やバランスが近いように見えます。参考まで。
Lost Kingdoms: Hindu-Buddhist Sculpture of Early Southeast Asia (Metropolitan Museum of Art Series)
- 作者: Guy, John
- 出版社/メーカー: Metropolitan Museum of Art
- 発売日: 2014/05/06
- メディア: ハードカバー