三尊像 クメール王朝 塼仏の型(ブリラム県出土)
久しぶりにクメールのものです。タイ東北部ブリラム県で出土した塼仏の型(青銅製)を入手しました(写真1〜5枚目)。今月出土したばかりのもので写真6枚目はクリーニング前の状態です。出土地は県内の有名なパノムルン遺跡や隣県ナコンラチャシマのピマーイ遺跡まで直線距離50〜70キロのエリアで年代的には三尊像が好まれて作られた12世紀後半〜13世紀初めのものだと思います。型面中央はナーガ上の仏陀、両脇は4臂の観音菩薩と般若菩薩(女尊)で緑青や赤錆で覆われた繊細な造りの型です。裏側の取手は「ナーガ」デザインになっており道具ですが美術品と言っていいと思います。下から2枚目の写真は型面に日光を当てて撮影したものですが錯覚で像が浮き出て見えます。最後の写真は文献に掲載されている三尊像(ピマーイ国立博物館蔵)です。出土地も近く、年代的にもほぼ同時期ごろのものだと思います(型なので左右逆に作られています。)