タイ骨董日記

タイ、ベトナム、東南アジア初期のヒンドゥー美術、仏教美術、お守り・プラクルアン情報。東南アジア在住。 (C) 2006 タイ骨董日記

ウボンラーチャターニー国立博物館

年初めに行ってきたウボンラーチャターニーの記事をアップします。ウボンには何度か行っていますが通過ばかりで今回やっとゆっくり見てきました。まずは博物館からです。

先史時代の石器、鉄器は飛ばしてまずはドヴァーラヴァティー期の部屋からです。

坐像も立像も記述は7〜8世紀になっていました。

次はプレ・アンコール期の部屋です。タイのドヴァーラヴァティー美術と分けて、プレ・アンコール美術の部屋があるのは驚きました。

ウボンラーチャターニーはラオスとカンボジアに隣接しており、このガネーシャ像はカンボジアに隣接するエリアから発見されたものです。

記述は7〜8世紀になっていました。

6〜7世紀頃の勢力図です。上が真臘(タイ語読み:チェンラ)、下が扶南です。

下は8世紀ごろだと思いますが、扶南はなくなり(真臘に支配?)ます。その後、9世紀からアンコール王朝が始まります。この付近の美術は隣接するラオス、チャンパサック県のワットプーなども関連しており紹介されていました。

下がこの博物館で最も重要なの像の1つで、シヴァ神と他のヒンドゥー神の合体神(Ardhanarishvara)です。この像の為の展示室です。

チケットの写真にも使われています。文献ではよく見ましたが実物は初めてみました。記述は6〜8世紀になっていました。

次はアンコール王朝期の部屋です。

プレ・アンコール期からアンコール期の展示品はほぼ砂岩製でブロンズ製はほとんど展示されていませんでした。

19世紀〜20世紀初めごろのタイ東北部(イサーン)からラオス美術の木製仏です。文献で見たことのある木製仏もあり、どれも素晴らしいものばかりでした。

レベル高かったです。

チャートと呼ばれる朱色がとてもいい感じです。

下の2点は文献でも何度も見ていますが実物は迫力がありました。

タイ東北部(イサーン)シルクです。19世紀末〜20世紀初めごろのものです。

博物館は16時に閉まります。

ご飯を食べに行ってから博物館に隣接するラックムアンに行くとたくさんの人で賑わっていました。

次は博物館周辺にある寺院、ウボンとシーサケートの遺跡の写真をアップしたいと思います。

仏陀ストーリー 断髪式

仏陀ストーリーシリーズの断髪式 hair cutting ceremony です。先日アップした「出城」の次のシーンになると思います。別々に入手したものですが風合いがよく似ています。コンバウン王朝 18〜19世紀のものです。

仏陀ストーリー 出城 2026年 午年

午年なので手元にある「出城」Departureを今年最初の写真にします。黒光りしたブロンズと塗金が美しく、ズッシリと重さがあります。18〜19世紀のものです。

不定期ですが今年も更新がんばっていきます。

チャンパーサック博物館(パクセー)

先日書いた記事の続きです。ワットプーに行く前に今年パクセー市内中心部に新しく出来たチャンパーサック博物館に行ってきました。ここを見ることがパクセー行きを決めた理由です。今回はヴィエンチャンから飛行機で行きました。パクセーには、2019年にベトナムのハノイに行き、その後フエから陸路でラオス入りしたい際に寄り、それ以来ぶりですが、6年前の閑散とした雰囲気に比べてかなり戻ってきており、西洋人の旅行者がかなり来ていました。コーヒーが美味しく居心地のいい美しい町です。でははじまりです。

美しい外観の新しい博物館です。

展示室入口からいきなり貴重なプレ・アンコール期のリンテル等の遺物が並びます。チャンパーサック県で発見、発掘されたものです。

7世紀頃(サンボープレイクック様式)のものだと思います。両端はマカラです。すごい迫力です。

ナンディンです。

こちらはプレイ・クメン様式(7世紀末〜8世紀初め)頃のものだと思います。

リンテル残欠です。こちらも7世紀頃(サンボープレイクック様式)、東南アジア初期のものです。

残念ながら記述はまだありませんが

プレ・アンコール期の大型の仏像頭部(砂岩製)です。記述はありませんがアンコール・ボレイ美術に近く、ほぼ同時期のものだと思います。素晴らしいものです。7〜8世紀初めごろのものだと思います。

ベトナム中部ビンディン省(現ジャライ省)の資金協力があったのだと思います。

パクセー市内中心部の最も有名で格式の高いルアン寺です。滞在中に何度も行きました。

金色のペンキが塗られてかなり派手な外観になっています。寺院の僧侶が何日かかけてペンキ塗りをしていました。

以前の白い壁(写真下)の方も美しかったのですが、、。

ある日の朝の風景です。

敷地内のかなり古い建物です。

パクセーはコーヒーの産地パクソンに近く美味しいコーヒーが飲めます。毎日欠かさず飲みました。パクソンには滝など見どころもあり、バイクを借りて1日はワットプー(チャンパーサック)、もう1日はパクソンに行こうと思いましたが、結局チャンパーサックに2度行きました。

コーヒーの美味しい店はオーナーがパクソンに畑を持っており、パクセーで店を開いています。

夕暮れ時のメコン沿いの風景です。北部ルアンパバーンのメコンの風景も素晴らしかったですが、今回久しぶりに歩いたパクセーやチャンパーサックの町の良さを改めて感じました。また来ます。今年はこれで終わりです。また来年。

山の上の大仏はライトアップされています。

<追記>2025年12月31日 ヴィエンチャンからパクセーまでの空路は窓際席でタイとラオスの国境になるメコン川がよく見えました。下はメーナーム ソーンシーと呼ばれるムーン川とメコン川が合流する地点です。ソーンシーとは2色という意味のタイ語で青色のムーン川の土色のメコン川の2色が川が見れるポイントです。奥がムーン川、手前がメコンです。合流後もしばらくは色が分かれています。よく見ると分かります。初めて見ました。

合流後のメコンの上を飛行しています。

パクセー空港に着陸前に大きな大仏が見えました。

パクセー滞在中にGoogle mapsでこの大仏を調べてバイクで行ってみました。市内から約10キロ北上したVat Chompetです。

寺に着いた時にちょうど象が迎えてくれました。

夕方で逆光だった為、まずは斜めから撮影しました。

仏像の台座部分の内部です。

ひと通り外周を見てまわると日が沈み正面が撮影しました。

下は2006年に建設当初の大仏です。現在の大仏は2020年になって修繕された新しい外観です。以前のタイプはラオスの庶民仏らしさがありますね。

以上、今年の記事完了です。

ワット・プー(チャンパーサック) 2025年

20年ぶりに南ラオス、チャンバーサックの世界遺産ワット・プーに行ってきました。1度目(2005年4月)はまだブログを始める前で今回はじめて記事にします。

前回はトゥクトゥクで行きましたが、今回は泊まったゲストハウス近くでバイクをレンタルして行きました。写真はパクセー市内からチャンパーサックに向かう橋です。出発は6時45分頃、ワットプーまでは約45キロです。

あと2キロです。

行きはほとんど寄り道をせずにワットプーに到着しチケットを買いました。8時ちょうどです。

平日でまだ早かったので遺跡前までの電動カートはまだ走っておらず、歩いて行きました。前は上海から来た中国人二人組です。

天気がよくラッキーでした。私は日傘をさしています。

ここから遺跡と丘の上に続く道が始まります。

遺跡が見えてきました。

遺跡の中の通路です。

とりあえずざっと外周を回りました。

ここからは上りです。

最後の急な上り階段です。

丘の上の遺跡に着きました。

内部の仏像の年代は調べていませんがワット・プーの時代の後(ポスト・アンコール期)に安置された仏像だと思います。

外周を周りました。

下はワットプーの遺跡の中でも最も有名な彫刻の1つです。

側面後部と

後ろ側です。ほとんど何もしていない状態に近いと思います。

丘の上からの素晴らしい眺めです。

入口は池の向こう側です。

では戻りましょう。

階段の石段に遺跡の一部のナーガの彫刻が使われていました。

途中の売店前付近には大型の男神像が2体横たわっています。必見です。

これだけでも素晴らしい美術品ですね。

最後にまた遺跡前を通って戻ります。

ここまで来ると電動カートで入口まで戻れます。

博物館前にあるヴィシュヌ神像(未完成品)です。7世紀頃のものだと思います。

入口近くにある展示室(博物館)です。

今回遺跡を眺めることと、この博物館をもう一度見ることが最も大きな目的でした。

展示室入口から内部の撮った写真です。奥には貴重なプレ・アンコール期(7、8世紀ごろ)のヒンドゥー神や仏像の石造彫刻が展示されています。写真の通り、内部は撮影禁止で管理者もいます。少しだけ撮りましたがやはり見つかりました。写真は自分の勉強用にしたいと思います。

建物のもう一方側には資料が展示されています。かなり研究されており掲示物はかなり勉強になります。

ワット・プーの昔の写真も飾らせています。

ここからはチャンパーサックの町です。メコン沿いの古い町で素晴らしいところです。

下は結構有名な地域の仏像です。

フォークアートです。タイ東北部にも見られます。

パクセーまで戻ってきました。橋を渡って市内中心部に戻る前に山の上の寺からメコンとパクセーの町も眺めてきました。ここからの景色も必見です。

下はパクセー市内(対岸)側からの眺めです。赤丸が黄金の大仏の位置です。

旧型のiPhoneでは拡大しても画質が粗いです。

また時間ある時に続きを書きます。

アユタヤ青銅仏残欠

アユタヤ青銅仏の上半身残欠を手に入れました。表情がよく、ブロンズ表面に艶があり緑青もあります。

横顔も美しいです。アユタヤ様式ですがタイ中北部のピサヌローク付近のものだと思います。

年代はアユタヤ中後期(16〜17世紀頃)のものだと思います。いつか台を作ります。

ランナー様式 飾り台とブアケム木製仏

以前手に入れたランナー期の飾り台にブアケム木製仏を飾ってみました。

鉢に植えられた木の枝がちょうどこの木製仏にピッタリと合います。

この飾り台の裏面にはランナー仏の台座部分にもある古代ランナー文字が刻まれています。

タイ北部の有識者に読んでいただいたところ西暦1890年作(19世紀末)ということが分かりました。

仏陀ストーリー ナーガ仏

かわいいサイズの仏陀ストーリー(青銅製)を手に入れました。仏陀が悟りの境地に入るまでのきびしい修行中、ナーガ神が雨や風から守ったという伝説の1シーンです。

出土後からそのままの状態ですが表情も見えてなかなかいい風合いです。このような状態をタイ人は「ドゥーム ドゥーム」といいます。ドゥームとはタイ語で「同じ」という意味で出土後や発掘後に(掃除や洗浄など)何も手をつけていない状態のことをいいます。完品です。

土が固くこびりついていますが所々ブロンズの地肌が見えます。右腕部分は地肌のブロンズ(青銅)に緑青が覆われているのが分かります。

このサイズですがナーガ頭部部分が前に突出した珍しい造りをしています。ふっくらとした丸い台座部分はおそらくとぐろを巻いたナーガ神を表現しているのだと思います、

池が後ろ側にあります。

コンバウン王朝(18〜19世紀ごろ)ものです。

<追記> 台座の底面です。ここも内部まで土が固く付着しています。一部ブロンズ表面も見えます。

ワーン製 三尊仏(ラーンサーン王朝)

2025年11月30日更新(追記)

貴重なワーン製の三尊仏を譲ってもらいました。この塼仏はタイ東北部ロイエット県の仏塔から出土したものです。現在は新しいラーンサーン様式の仏塔が建てられていますが南側はクメール時代の遺跡の点在するシーサケート県との県境も近く、塼仏の形状や美術様式もクメールの三尊仏の影響を受けているように思います。

かなり以前にプラスチック枠に入れられており割れていますが状態維持の為、そのままにしておくつもりです。

その下の写真はこの塼仏が出土した当時の写真です。

上の写真に写っているラーンサーン様式の仏像(材質不明)の写真と並べてみました。シルエットの比較になりますがよく似ています。年代的にはラーンサーン後期から末期(17〜18世紀)ごろのものだと思います。

素朴な仏の表情が残っています。

<追記>2025年11月30日 ロッブリー市内にあるナーラーイ国立博物館に展示されている三尊仏(ロッブリー出土、テラコッタ製。13世紀末〜14世紀)の写真をアップしておきます。参考まで。

 

パヤオの大仏 プラチャオ・トンルアンの古い写真(その2)

もう1点プラチャオ・トンルアン仏の古い写真を入手しました(まだ実物は見ていませんが)。以前にお願いした時は譲ってもらえませんでしたがあれから4年経ち、メッセージで再度聞いて見たところ(何か他に購入したいものがあったようで)数日後にオファーが来ました。

この写真と同じものがワット・シーコームカム寺院となりのニタット文化会館(博物館)に展示されています。右上に掛けられている写真です。

今回入手したものは通常サイズの写真ですが、このニタット文化会館に掛けられている写真はかなり大きなものです。プラチャオ・トンルアン仏の古い写真を収集し始めて7年以上経ちますがこのサイズの本物はここでしか見たことがありません。

写真の詳細がワット・シーコームカム寺院敷地内にも掲示(写真下、右側)があります。記述には仏暦2490年〜2500年(今から約70年前)に撮られたプラチャオ・トンルアン仏の写真と書かれています。しかし仏暦2497年1月5日の日付が書かれたこの写真が見つかっていることから、写真が撮られたのは仏暦2490年〜2497年1月5日だと考えられます。ちなみに左側は仏暦2458年(西暦1915年)のプラチャオ・トンルアン仏の写真で現存する最古の写真だと思います。同年代ごろの写真もう1枚がニタット文化会館に展示・保存されています。

下は2016年12月に撮影した写真です。ラーマ9世が崩御されてまだ間もないころです。

7年ほど前にプラチャオ・トンルアン仏の写真を手に入れた時の記事のリンクを貼り付けておきます。https://thaikottou.hatenablog.com/entry/2018/05/01/194522?